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SCPとはSoil Carbon Poolの略で、土壌における炭素貯留という意味です。環境に配慮したライフスタイルの一環として実践できる地球温暖化対策として注目されています。

 地球温暖化問題への対処には、温室効果ガス(GHG)の排出量削減と併せて吸収量増加が必須です。GHG吸収における植林と森林保全の重要性は広く知られています。

   京都議定書は農業・森林分野のみに炭素吸収の算定を認めており、森林分野が炭素吸収の主軸を担う一方、農業分野での炭素貯留(吸収)も期待されています。農業分野では、農地管理により「土壌における炭素貯留(SCP)」を増加させた場合、その分のCO2吸収量を国の温室効果ガスから差し引くことが、京都議定書により認められています。なお、必ずしもSCPを増加させる必要はなく、減少の程度を和らげることでも、 CO2を吸収した勘定になります。算定ルールでは、基準年(1990年)と約束期間(第1約束期間:2008年~2012年)の、土壌炭素の変化量どうしを比較する方式で算定するので、基準年の排出(= SCPの減少)量が大きく、約束期間の排出量がそれよりも小さい場合は、排出(= SCPの減少)し続けていても、「貯留(吸収)」として扱われます。つまり、 SCPを増やすことが難しい場合、減るのを食い止めても評価される仕組みです。

   世界におけるGHG排出量の約30%が農林業由来であり、そのうち農業由来は約10%とされています。地球温暖化問題への対処には、温室効果ガス(GHG)の排出量削減と併せて吸収量増加が必須です。森林分野におけるカーボン・オフセットの取り組みは広がっており、社会的意義もより一層高まっています。一方、農業分野であるSCPについても、欧米を中心に国際社会の関心は高くなっています。しかしSCPへの実際の取り組みはまだ発展途上です。

   家庭菜園、市民農園、観葉植物栽培など、私たちの生活の中で“土”を扱う機会は豊富にあります。SCPに関する理解を深め、環境に配慮したライフスタイルの一環として地球温暖化防止に取り組んでみませんか。

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